うぐぐ。第69期順位戦A級3回戦谷川藤井戦見た。うぐぐ。

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昨日の夜と今日の夜…というかさっき観戦。
なぜ観戦が二夜に分かれたかというと、当日観戦中にほとんど寝落ち状態で、最後まともに観れてないからなんだね…
当時のtwitter見返してもだいぶ何言ってるか怪しいよ…


原因は前日の寝不足。
twitter上で妄想をつらつら書いてたら止まらなくなり、気が付いたら深夜1時過ぎまで延々やってしまった。
しかもフォロワーの方々から、まったく予想外に好評をいただいてしまい、そして嬉しくなり、そして舞い上がり、そして終了後1時間くらい眠れなかった。寝たの午前2時過ぎてた気がする。
ダメすぎる。満足したがダメすぎる。*1


話を戻して。
2勝0敗谷川九段と0勝2敗藤井九段の対局。先手谷川九段。


ここのところ藤井九段は後手番での戦法選択に苦労している様子で、先日の順位戦の対郷田戦(ゴキゲン中飛車)や王座戦の第一局(角交換型四間飛車)でも思わしい結果が出せないでいる。
あれもダメ、これもダメ、だからというわけではなかったのだろうが、藤井九段は藤井システムを選択した。
プロの解説では「後手番の藤井システム振り飛車難しい」という話をよく聞くが、藤井九段の今期に限って言えば、後手番藤井システムは結果を残している。
ただし、厳しいことを言えば必ずしもトップ棋士相手に出した結果ではなく、タイトル戦などの重要局での使用に耐えうるかどうかは、実のところ怪しい。
それがもし谷川九段という名棋士に通用するならば、不調で長らく二軍で黙々と調整を続けていたかつてのエースが、ふたたび一軍で脚光を浴びることになり、往年の藤井ファンとしても熱い展開だろう。


…などと冷静に書いてみたが、実際の俺は「角道止める→四間に振る→システム調の駒組み」を見たとき
「うおおおおおお!熱い!」
とあっさり高まっていた。
そりゃそうだろ。あの藤井先生が、何の勝算もなしに後手システムをやるわけがない。…やるわけないですよ。ね?(そこで不安がるあたりがニワカ)


谷川九段は本年に入って戦績としては不調のなかにあるが、順位戦は連勝中。
システム調の駒組みを見て、急戦を仕掛けていった。
後手システムでは後手玉が囲いに収まる手が間に合わないので、後手は思い切った戦いがやりにくい。本譜銀交換のあと▲8二銀と打ち、中盤にして挟撃体勢の足がかりを作られてしまった。
浮いた飛車も狙われて、後手は全体的に窮屈な戦いが続く。


その前に飛車交換を拒否した場面は、(棋譜コメントにもあったが)本来の対抗形の急戦なら、飛車交換は美濃が堅い振り飛車有利なのだが、本局は玉が囲いに収まっておらず、有利になるとは言いがたい状況。
とはいえほっとくと飛車が詰む。
よって飛車が詰む前にというか何なら詰ませてる間に他の駒に仕事をさせたいのだが、それほど早い攻めもないように見えた。うぐぐ。
ちなみに、あとで感想戦コメントを見たところ、それでも交換して戦う筋もあったようだ。


それでも振り飛車が盛り返し、飛車も無事生還して竜になり、形勢判断が難しい局面になった…と思ったが、居飛車に丁寧に受けられ、攻めが切れてしまった。
最後は馬と角の“二丁拳銃”でとどめ。
藤井九段が投了し、谷川九段の3連勝、そして藤井九段の3連敗が決まってしまった。うぐぐ。うぐぐぐ。


藤井先生、おつかれさまでした。
谷川先生、おめでとうございます。


本局は藤井先生が藤井黄金期を支えた相棒に命運を託した一局だったが、健闘むなしく…という印象で、そりゃあファン的には、システムを、しかも不利という評判の後手システムを藤井先生が指したのは非常に嬉しいのだが、希望の持てる負け方とは言い難かったのがつらかった。
新手△3八歩で出来たと金も、割とすぐ先手の金に「死ねやオラー!」と鉄砲玉になっていったしなあ…


しかし、ファンだから言うわけではないが、藤井先生はこれでもう限界ということではない。


本日の日本経済新聞王座戦観戦記を見ていただきたい。挑戦者決定戦の藤井深浦戦の最後の回だ。
王座挑戦を決めた藤井先生は、「今の努力が実るのは来年くらいかと思っていた」という旨を観戦記者に語っているのだ(詳細は原文を読んでいただきたい)。


なんと藤井先生はまだこれでも発展途上、進化の途中だというのだ!
なんてことだ恐ろしい。


しかしもちろん、来年を待つなんて悠長なことはタイトル挑戦者になった今の藤井先生にはできないし、ファンも待てない。待つけど待たない。ていうか3連敗だからね順位戦!「先後の戦法は完成したけど順位戦は落ちました」なんて展開は切ない。


今は藤井先生の努力を見守るしかない。
引き続き応援します。


おわる。

*1:なお、このダメな人の書いた長編妄想はhttp://togetter.com/li/50232の最初のあたりで見ることができます。@yamajunn21さん、まとめたいへんありがとうございました。