まだ見てない人は今すぐ藤井猛九段公認応援サイト『鰻屋本舗』へ行き藤井九段のメッセージを見るんだ。

この記事の結論はタイトルの通り。

その鰻屋本舗さんの第58期王座戦5番勝負特設ページはこちら。
http://fujii-system.com/58ouza/


で。以下は見た人こと俺の話。


拝読いたしました。
藤井先生らしいなあ、というメッセージでした。


言うまでもありませんが、羽生王座はすべての棋士にとって、いまもって全身全霊全力全開でぶつかるにふさわしい棋士です。
これは、単に彼の実績と実力ゆえに彼から得る勝利の価値が高い(『あの羽生に勝った俺TUEEEEEE!』)ということだけを意味するのではありません。
つまり、勝又六段が著書『最新戦法の話 (最強将棋21)』の中で述べたように、羽生王座は課題局面に対する実戦での回答能力が棋士の中でもきわめて高く、よって各自が暖めてきた研究や自信のある局面の真価を測るのにも最高の対局者だ、という意味も含みます。


以上のことから、「嬉しくもあり楽しみでもあり」という藤井先生の言葉は本心でしょう。
そしてファンとしてもたいへん頼もしくあります。


ああ!藤井先生。
私たちに見せてください。進化した藤井将棋の真価を。*1
期待しています。応援しています。




……さて、真面目な話は終わりです。
あとはツッコミです(この手の展開の部分的な定跡)。


念のため引用しますよ。

最近の振り飛車党の席巻に私も一役かえればと思っています。棋界唯一の(?)矢倉も指せる振り飛車党として、いかに戦うか注目していて下さい。

(?)をつけたところが藤井先生なりの良心です。
久保二冠や杉本七段あたりも一応「居飛車もやる振り飛車党」ですし、上位者以外でも居飛車党から転向した振り飛車党はけっこう居るので、「棋界唯一の〜」は言いすぎだろお前、というツッコミをされる方がいてもおかしくありません。
しかし、実績が違うのです。
彼の指す矢倉は普通の矢倉ではありません。早囲いや居角の左美濃囲いから速攻を目指す「藤井流矢倉」は、矢倉という戦法に新しい風を吹き込みました。そして彼の主戦法として何度も対局に登場し、高い勝率を誇っています。
そうでなくても、かつては振り飛車一筋と言った男が、矢倉の強豪・大家相手に矢倉で勝つのです。
よって、ほんとうは(?)などつける必要がない。いや、「矢倉も指せる」なんて言い方がそもそも控えめなのかもしれません。
添削しましょう。

最近の振り飛車党の席巻に私も一役かえればと思っています。棋界唯一の(?)矢倉も指せる矢倉で勝てる振り飛車党として、いかに戦うか注目していて下さい。

……やりすぎました。
夏ってこええな(早逃げ)。


もう一つ。

銀座本店の鰻屋のメニューにラーメン定食が正式採用されました(笑)屋台から2年。長かったです(笑)ただこのメニューが王座戦で採用されるかはまだ不明です(笑)

(笑)が多いですが、この期間ずっと応援してきたファンの方にとっては、感無量の文章ではないでしょうか。
私などは最近のファンです。にわかです。それでも、本当につらかったんですよ。去年のA級順位戦の対高橋九段戦とか、もうね。
それが、この文章です。
「ああ、ついに藤井先生がまた心から指せる戦法ができたのだ」と、私は素直にとても嬉しく思いました。
また、ファンでない方は、この(笑)を真に受けちゃいけません。
藤井猛は自虐が多い男です。
「ね、私の、この、悪戦苦闘ぶり、ひどかったでしょ?
 でもがんばったんですよ、私なりに…」
みたいな、自虐と照れとが共存するような物言いじゃあありませんか。なに俺だけ?そうか。
いや、もう、とにかく、全部(笑)を取って読んでみてください。

銀座本店の鰻屋のメニューにラーメン定食が正式採用されました。屋台から2年。長かったです。ただこのメニューが王座戦で採用されるかはまだ不明です。

しみじみとこれまでの苦労が伝わるようじゃありませんか。


ツッコミとかなんとか書きながら、単に藤井先生大好きがんばれみたいな文章をだらだらと書いてしまいました。
せっかくだからもう一度書こう。藤井先生大好きがんばれ。


締めの言葉が見つからないので、例によって日程を書いておきましょう。
第58期王座戦五番勝負は、
第一局が9月9日木曜日。
場所は東京・グランドプリンスホテル赤坂です。
詳しい情報は公式中継サイトまたは上記鰻屋本舗特設ページ等をご覧ください。


終わります。

*1:この文章、最初は「現在の藤井将棋の真価を〜」だったのだが、もっとかっこよくしたいと思い直してみたら「しんかしたふじいしょうぎのしんかを」いきなりナチュラルダジャレ。豊川先生の域にはほど遠いですが、何かちょっとした奇跡を見た気がします。……俺だけですねそうですね。