自分の横っ腹を晒せるのは、味方か、油断を誘いたい敵に対してだけだ

軍艦にしろ戦闘機にしろ、敵に自機の正面を見せようとするのは、そのほうが被弾面積が小さいからだ。また、武装の多くが、正面に集中することで攻撃の効果をあげるようについているからだ。
相手に横っ腹を見せるということは、単純に被弾の可能性が高いという意味では弱点だ。だが、面積が広いということは、視界に入る情報量が多いということでもある。どのくらいの大きさか、武装は何がどこにどのくらいついているのか、安定しているか、乗組員の士気はどうか、機体に損傷はないか…
味方とは自分の強みも弱みも共有しなければならない。であれば、彼らに対して一度は舳先を並べ、横っ腹を見てもらう必要がある。


と、いきなりこんな話をするのは、きょう、自分が他人に、心の横っ腹を見せてきたからだ。


…今うまく言ったつもりなんだが、どうだろうか。心の横っ腹。


ともあれ、その他人は、以前はそれほど心を許していない人間だった。
しかし、彼を敵とみなすわけではないにしろ、自分の回復を案じてくれる相手を味方と考えていないのはおかしい、ということを、俺はいい加減気付いたのだった。


その他人は俺との関係で言うと「上司」という。


職場でのコミュニケーションは大事にしましょう。


追伸:療養続行です。復職はまたしばらくおあずけ。
一ヶ月でも一年でもちゃーんと治ってから戻ってきなさい、だって。