本の読み方を考えた。

※この記事を読む前に。

色々書いて振り返ってみましたが、当たり前のことしか書いてない気がしてきました。
それでもいいよーという人はどうぞ。ちなみに適宜書き直す可能性大です…

「速く、速く、速く、昼も夜も一刻も失うことなく飛ぶように速く」読みたい。

最近の日課はもっぱら読書です。
今読んでるのは「フラット化する世界 [増補改訂版] (上)」。ところが、これが読んでてイライラするのです。何がイライラするって、自分の読みの遅さに。…新書を読んでいるときはそういった感覚はほとんどありませんでしたが、このサイズの本になってくると強く感じるようになりました。
読みが遅いと感じるのは、心の余裕が無いとかではなく、次に読みたい本がたくさんあるからです。どんどん読みたい。だからもっと速く読みたい。

読書が遅い原因をハードウェアとソフトウェアに分けてみる。

そもそも文字をおっかける目の速度が遅い、文章を意味として把握する速度が遅い、といった肉体=ハードウェアの性能の問題と、そんなに一生懸命読まなくてもいいところまで読んでいる可能性、つまり思考=ソフトウェアの性能の問題に分けられるような気がします。
肉体はコンピュータのように部品の入れ替えができないので、一夕一朝で速くはできません。じっくり取り組むしかない。でもソフトウェアのほうは読書内容の重み付け判断のアルゴリズムを書き換えるだけで、すぐに速くできるはずです。というわけで、さしあたり後者の高速化を狙うことにしました。

「知ってることは読み流す」という戦法

自分で考えられる範囲では、さっきも書いたように、読まなくていい部分を判断して読み流す戦法がとれそうです。「フラット化する世界」の例でいうと、この本の中でフラット化の要因としてパソコンの普及やインターネットの整備、ネットスケープナビゲーターの登場やオープンソースコミュニティの拡大などが挙がっているのですが、これらは俺にとってすべて学生時代にリアルタイムで知っている事柄です。その上で「ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)」なども読んでいます。だから、自分はそれらの部分を読み流しても本書の理解に差し支えなかったのです。
ただし、この問題は、「結果的に読まなくても良かったと判断できること」と「読む前に読まなくても良いと判断できること」に分けられます。前者は結果論ですから、やはり読んでみないとわからないので、読書の速度が遅くてもやむをえないと考えるべきです。しかし、今の「フラット化する世界」の例は明らかに後者です。序盤で「この本はこれこれの話題に触れてますよ」と著者が宣言していますし、自分もその話題についてある程度の予備知識があります。ですから序盤を読んだ時点で「この部分は読み流せそうだ」と判断できるわけです。

「知ってることをあらかじめ増やしておく」という戦法

前述の考え方を発展させると、手応えのありそうな書物に向かうときは、あらかじめ同じテーマで軽めの本で予備知識を持っておく、という戦法が使える気がします。つか、これは自分も無意識のうちにやっていました。たとえばヨーロッパの歴史をかじりたいなと思ったときに、いきなりハードカバーの本にあたらず、文庫サイズの薄めの本から入ったりしています。
より積極的にこの戦法を取る場合、本やウェブ上の書評が参考になります。

関連書籍もあたってみた。:「レバレッジ・リーディング」

ここまでは自己流でしかも割とありきたりな話ですが、それだけだとなんとなく不安なので、読書法そのものについて本をあたってみることにしました。
このブログでも紹介した「効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法」や「「1日30分」を続けなさい!人生勝利の勉強法55」にも読書法について触れている項目がありましたが、より突っ込んだ本がほしくなり、書店でぱらぱらと見て「レバレッジ・リーディング」を購入。ビジネス書の読み方に特化して書いています。
しょっぱなから「この本は、読書家のための本ではありません」と言われてしまいますが、気にしないで読み続けると、案外俺の考えに近いことを、よりドラスティックにやることを薦めている本でした。いや本当に。や、だからって「俺すげえ」と言いたいわけではないぞ。うん。まあちょっと言いたいけど。
この本の特徴は「ビジネス書を読む目的は自分への投資活動である」と明確に定義し、金融における投資活動と同様に書籍を扱う点です。たとえば、投資では利益を安定させリスクを軽減するために分散投資を行いますが、これを読書では多読として適用します。また、必要に応じて適時損切りをすることは、読書では、本がつまらない・役に立たないと判断したら途中でも捨てることに結びつきます。もちろん金融と読書では細かい違いはありますが、比喩としてはなかなか成立しています。

とりあえず今後の俺的読書ライフまとめ(れてない)

レバレッジ・リーディング」を読んで思いましたが、俺の最近の読書の目的は「単純な知識欲」と「自己防衛術の取得」に分類できて、後者は結局ビジネス書からノウハウを学ぶこと、つまり本書で言う投資活動にあたるようです。心の中では、なんつうかバリバリのビジネスマンにはなりたくないなーという気持ちもあるんですが、それはまあいい。
ビジネス書以外の読み方、たとえば小説などはどうしようかなと思いましたが、これは今までどおりじっくり読むやり方でいい気がします。面白ければ仮にページが進まなくてもイライラしないはずだからです。後半になるまで面白くない可能性もありますが、とりあえず本を買う前に書評などでワクワク感を担保するのも手だと思います。邪道かもしれませんが。