30日でできる! OS自作入門

読んで字のごとく、OSを自作するための入門書。対象者は簡単なプログラムを触ったことのある人なら誰でも。個人的には、基本情報技術者の勉強と同程度の経験があったほうがよりスムーズに読めると思います。
俺自身の経験値を書いておくと、自社のSEさんのお手伝いをした際(素人相手にひどい話です)CとJavaをかじった程度で、正直プログラムがどうハードウェアと連携してるのかさっぱりわかっていませんでした。ですが、これを読んで基本的な部分がようやくつかめた感じがします。特にレジスタやメモリまわりですね。
また、基本情報技術者試験でキュー・スタック・リスト構造など「これ何に使うんだろう?」と思うようなことがたくさんあった人(これも主に俺ですが)は、ぜひ読んでみてください。「ここでこう使うのか!」と感動すると同時に、自分のした勉強に背骨が一本入った気分になると思います。

でも、ごめんなさい。もう言うよ。
ギブアーップ!
年末からこつこつ読んでましたが、15日目くらいのところで気力が尽きました。
理由をざっと挙げます。

  • 文章が話し言葉ベースでまどろっこしい。文章量が多くページが多く字が小さいのもそのせいだと思えてきます。
  • 追加すべきコードの場所がわかりにくい。というか、追加先のプログラムの何行目から何行目の間に挿入するのか明記がありません。
  • わざとつっかえたり、やり直したりが多い。作者の試行錯誤を追体験する構成のため仕方ない部分もありますが、ええいまどろっこしい。

挙げてみれば三つだけですね。
もちろん、これらは欠点とも言い切れません。話し言葉は親しみやすいですし、硬い表現を使うよりも感覚的にわかりやすいことが多い、という利点もあります。追加コードの場所だって、日々このテキストと添付のCD-ROMの内容をつき合わせていけばいつかはわかります。追体験は特に失敗をふまえることで「なぜだろう」と考えるきっかけになります。たぶん、こういったモノ作りでは常に「なぜだろう」と思う気持ちは大事だと思います。

…なので、今回はあくまで自分と相性がよくなかった、と考えるしかありません。読み物としてはたくさんの発見があったので、もう少し気楽に読み進めていきたいなと思っています。

30日でできる! OS自作入門

30日でできる! OS自作入門