「今のBRICs」がわかる本

ケンタッキーで飯を食いながら読み終えた。
BRICs、つまりブラジル・ロシア・インド・中国の実情を、歴史、統計的データ、筆者の取材によって紹介した本。各国ごとにコンパクトにまとまっているが、現地取材のエピソードを織り交ぜているのでこの手の本としてボリューム不足はあまり感じない。俺は世界史をまともに勉強したことがないので、そういう意味でもちょうど良いBRICs入門書になった。
本書では中国・ロシア・ブラジルについてはおおむね明るい展望が示されていたけど、インドは注意深く書かれていた。カースト制度が根付いているために、貧富や教育機会について格差が固定されており、人口の増加に対して消費の増加が期待できないという。インド人口11億人全体をマーケットとして見込んでいくと痛い目にあうと。

また、外国ではインドはIT分野がすごいって言われてるけど、インドの全GDPに対してIT分野は5%未満で、インドを牽引するほどの力は無いという。*1


筆者は、まあいろいろネガティブなこと書いたけど日本人的にはインドはビジネスの相手としてはちょっと厄介だから気をつけなよ、ということでまとめている。まあ、そのくらいしかまとめようがないよな。俺もこの本読む限りだとインド微妙。


まあ面白かったです。インドとブラジルについてはもうちょっと何かで読みたいなあ。

*1:ITのことで梅田望夫の「ウェブ進化論」のことをちょっと思い出した。彼は、ITは力なき者をエンパワーすると書いていた。また、この本の筆者もITが階級格差をブレークスルーできる可能性を否定しない。ただインドでは、IT分野に関与できるだけの教育を受ける機会そのものが自由ではない。スタートラインがあまりにも遠い。